【書評・紹介】『魔法科高校の劣等生 13 スティープルチェース編』 佐島勤

2023年3月3日小説,NL(HL、異性愛),高校生(青春),SF小説,高校生(恋愛),このライトノベルがすごい!,禁断の恋,青春小説,バトル・アクション,ライトノベル,恋愛小説テレビアニメ,小説家になろう,佐島勤,石田可奈

二年生となった達也達の九校戦を描いた13巻
その裏にはやはり陰謀が……

著者:佐島勤
イラスト:石田可奈

既刊のネタバレを含みます。
第1巻はこちら

ストーリー
描写
キャラクター
独自性
電子書籍 有り
他のメディア展開 コミック、TVアニメ、アニメ映画、ゲーム
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あらすじ

二学年度の部――《九校戦編》登場!
 二〇九六年、七月。今年も、魔法科高校生にとって夏最大のイベントである全国魔法科高校親善魔法競技大会、通称『九校戦』が開催される。
 しかし今年の『九校戦』はひと味違っていた。競技種目及びルール改定。本番まで残すところ一ヶ月の段階でもたらされた何の前触れもない大幅変更に、魔法科高校各校は慌ただしい対応を迫られる。
 そんなある日、九校戦の作戦立案に当たっていた達也の許へ、匿名のメッセージが届けられる。それは、九校戦を舞台とした新たな陰謀の存在を示唆するもので――。
 華やかな競技の裏で繰り広げられる暗闘。昼なお暗い富士の人工樹海を駆け抜ける達也が、背信の陰謀に挑む!

「魔法科高校の劣等生(13) スティープルチェース編」 佐島 勤[電撃文庫] – KADOKAWA

受賞歴

このライトノベルがすごい! 2020 2010年代総合ランキング 第8位

書評

シリーズ累計発行部数は2200万部突破の大人気シリーズ第13巻です。

二年生になって早々、七草の双子に七宝に。
新入生に色々とかき回された12巻。

13巻は3巻、4巻でも描かれた九校戦がまたやってきます!
といっても、今回は1巻完結。
しかも内容は九校戦というよりも政争が強めです。

12巻では七草弘一氏の暗躍が描かれていましたが、13巻ではまた別の人の企みが。
九校戦といえばのあの人です。

そんな13巻の表紙は黒羽姉弟。
四葉の中で珍しく達也を慕う可愛い存在。
彼らも高校生となり、九校戦に出場し、達也率いる一高と対戦することになります!

そして九校戦ということで、一条、吉祥寺の三高コンビも再登場。

ただやはり本巻は九校戦編と比べるとやはり政治小説の色が濃いめ。
九校戦の競技よりも、その裏で暗躍する存在が目立ちます。

読んだ感じとしては、主人公(達也)がそこまで目立たない小説という感じです。
色々な登場人物の目線で語られるのはもちろん、彼の主体性という点でまた。

尤もそう描かれているのには理由があるのですが、
なんというか、消化不良な一冊でした。

注目点があるとすれば

陸軍101旅団・独立魔導大隊

くらいかなあといった感じです。

なんでしょう。
複数巻を費やして張ってきた大きめの伏線回収があるにも関わらず、小さく描かれている点。
登場人物が多すぎて、この巻の主要人物の掘り下げが不十分と感じる点。
九校戦編の二番煎じという課題を解決できていない点。
間を持たせるためのラノベ描写がありきたりすぎるし、想像の範囲を出ないし、展開としても脈絡がない点。
次巻へと繋がっていく伏線の張り方が今までと比べても明らかに雑すぎる点。

12巻、ダブルセブン編は1、2巻の入学編と比べても遜色ない
むしろ、この1年間でこんなにも変わったんだという点でとても面白い作品であったと思います。

ですが、本巻は
3、4巻の九校戦と比べて、スポーツを描いた小説という点でも、その裏で起こる出来事という点でも明らかに下位互換と言わざるをえないです。
どっちつかずになってしまっていると言うべきか。
一年次の九校戦と比べて、達也たちはここまで変わったんだという見方も12巻で使ってしまっているわけで。

結論としては、シリーズを構成する一巻であるから読まざるをえないけれど、
読み返したいかと問われれば断じて否という巻です。

じゃあ何故こんな巻になってしまっているかというと、
これを保管する物語がSSとして、また別に出版されているから。

構成上、一巻にまとめることができなかったそうです。
(それをまとめるのが筆者の腕の見せ所なのではとも思いますが)

ですので、出版順を気にしないのであれば、SSと合わせて読むのをおすすめします。
出版順通りに読みたいのであれば14~19巻を先に読む必要があります。
丸二年も間隔が空いているので仕方ありません。

二年生となった達也達の九校戦を描いた13巻です。

文庫本

電子書籍

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。