【書評・紹介】『仕事は楽しいかね?《最終講義》』 デイル・ドーテン

2022年8月19日小説,海外小説,教養書,ビジネス書デイル・ドーテン,あさのけいこ,アメリカ

良い会社には、ごく少数ながら、特別な人々がいる。

仕事は楽しいかね?最終講義 18ページより

全3巻に渡る『仕事は楽しいかね?』シリーズの最終巻にしてその集大成。
相手を変える、周囲に良い影響を与えられる宝のような存在とは。

ストーリー
描写
キャラクター
独自性
読みやすさ
考えさせられる度
電子書籍 有り

著:デイル・ドーテン
訳:中村佐千江

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あらすじ

良い会社には、ごく少数ながら、特別な人々がいる。 彼らは自分の働く会社が、顧客にとっても従業員にとっても、特別な会社となるように力を尽くしているんだ。 そういう人々は、地位の上下に関わらず、会社のあらゆるレベルに存在する。
ときには、社員ですらない場合だってある。納入業者とか、コンサルタントとかね。 そうした一握りの特別な人々が、会社を特別にしているんだ。 もちろん、その会社の製品を一味違うものにする、独自の製法や方式もあるだろう。
けどそうしたアイディアも、元をただせば一握りの特別な人々から生み出されたんだよ。 そういう人々はただ特別なだけじゃない。 彼らの特別さは人に伝染する。 周りの人まで巻き込まずにはおかないんだ。

仕事は楽しいかね?最終講義 | きこ書房 (kikoshobo.com)

書評

まず最初に断言しておきます。
「仕事」という単語に騙されないでください。
学生でも無職でもニートでも定年退職した人でも
今現在仕事をしていない人に対してもとても示唆に富んだ、これからの人生を生きていく上で役に立つお話です(1巻2巻の書評でも述べましたが)。

舞台はアリゾナ、フェニックス。登場人物は本シリーズの主人公。
発明家、起業家として巨万の富を築いた老人マックス。
そして初登場のマックスの甥っ子とその彼女アンジェリーナ。
この3人の会話によって物語は展開されていきます。

1巻が個人・労働者の話、2巻が個人と組織・労働者と会社、特に上司と部下についての話だったとするならば、この3巻最終講義は自分の話。相手を変える、周囲に良い影響を与えられる宝のような存在に自分がなる方法の話です。

話は「良い会社には、ごく少数ながら、特別な人々がいる。」というマックスの考えから始まります。
そしてそうした特別な人々にはどういう共通点があるのか、そうなるためにはどうすればいいのかという風に展開されていきます。

第一のレッスンでマックスは「愛される非常識人のすすめ」について語ります。

目指すべきは、非常識な行動なんだ。

仕事は楽しいかね?最終講義 67ページより

常識という曲者が、私たちを凡庸の罠に陥れるんだ。

仕事は楽しいかね?最終講義 66ページより

具体例として、5ドル(約500円)で購入した中古の掃除機と、手作りの名刺だけでスタートさせた会社を従業員500人、年商1200万ドル(約12億円)にまで成長させた人物の話が出てきます。
約500円の中古の掃除機と手作りの名刺だけで建物のメンテナンス会社を起業する。普通に考えると非常識な行動です。しかし、この理に適わない非常識なアクションを起こしたからこそ、この人物は年商1200万ドルの会社を興すことができたのです。

ただこれは日本社会では難しいことだと思います。
出る杭は打たれる。同調圧力。
日本では非常識な行動を取りづらいどころか、それが理由で攻撃されることもままあります。
しかし、行動しなければ何も変わらない。1巻は「試すことの重要性」の話でした。まずはとにかく試さなければ始まらないのです。

きみが”試すこと”に喜びを見出してくれるといいな。

仕事は楽しいかね? 168ページより

マックスは言います。

分別のある人間には、何も成し遂げられない。

仕事は楽しいかね?最終講義 96ページより

本書は最終講義の名の通り、 1巻2巻で語られてきたことのまとめであり、その集大成です。

本書の最後、まとめの章そしてエピローグでは、このシリーズを通じて学んできたことがマックスのスピーチという形でよりコンパクトに、そして私たち読者へのエールとしてまとめられています。

実際の様々な成功例を分かりやすく噛み砕き物語風に読者に伝えるビジネス啓蒙書。
これから生きていく上でとても示唆に富んだ本。
読んで得することはあっても損することは無いと断言出来る一冊。
是非お読みください!

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。