【書評・紹介】『SP 警視庁警備部警護課第四係』 金城一紀

2022年8月19日シナリオブック映画(実写),テレビドラマ,金城一紀

主演・岡田准一で驚異の大ヒットを記録した深夜ドラマのシナリオ本
ドラマと脚本の違いなど、ドラマを見ていても楽しめる一冊

著者:金城一紀

ストーリー
独自性
電子書籍 無し
他のメディア展開 ドラマ、コミック、映画
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あらすじ

直木賞作家・金城一紀が初の連続ドラマ脚本を執筆。岡田准一、堤真一共演で話題の高視聴率ドラマ『SP』が書籍に。シナリオとともに、制作裏話も見逃せない!

SP|書籍詳細|扶桑社 (fusosha.co.jp)

書評

2007年から2008年にかけて放送され、その後映画化もされたテレビドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』のシナリオブックです。

著者はもちろんSPの脚本家、過去に直木賞も受賞されたことがある金城一紀先生。

まず最初に断言しておきたいのは、ドラマや映画を見ずにいきなり本書からSPの世界に入るのは恐らく厳しいです。

理由の1つは本書がシナリオブックであるという点。
つまり、脚本台本をそのまま本にしたもの。
セリフト書きがあるだけで、小説のように読みやすくはありません。

そして何より、SPという作品がアクションに重きを置いているというのも大きな理由。
主演・岡田准一というだけでおわかり頂けると思いますが、アクションがかなり本格的です。
しかし、文字だけそのアクションを表現するのは難しいわけで。。。

とにかく、ドラマを見てから読まれることをおすすめします。

さて、ここからはドラマを見たことがある人向けに。

本書、
1つ目のオススメポイントは、

ずばり、脚注!

なぜなら、脚注裏話演出の意図が書かれているから!
ここが実はあの部分の伏線になっていた、この時はまだ次の展開を考えていなかった、などドラマを見た人なら絶対に楽しめること間違いなしです。

一例を挙げると、公安の田中一郎(演:野間口徹)。
主人公・井上の同期であり、かなりの重要人物。
しかし、このキャラクター。
企画書を出した段階では全く存在していなかったそう。

そんな田中が主要キャラとなり、そして本作が演じた野間口徹さんの出世作となるという。
こういうことを知ることができるのは本書の魅力です。

そして、
2つ目のオススメポイントは、

ドラマとは異なる脚本!

脚本と聞くと、ドラマと全く同じ展開のように思いますが、そんなことはありません!
ストーリー然り、演出然り、セリフ然り。
結構変わっています。

例えば、SPとなる前の井上が実地訓練を受けているシーン。
ドラマでは途中、手榴弾を使ったブービートラップが仕掛けられていましたが、脚本では模擬爆弾。
何か変わるの?と思われるかもしれませんが(私も最初はそう思いましたが)、金城先生の説明を聞いて納得。

そんなようなドラマとの違いも楽しめます!

異例の大ヒットを記録した深夜ドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』のシナリオブック。
是非お読みください!

単行本

文庫本

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。